2024年1月14日、北横岳で開催された初心者用の講習会に参加してきました。
私は普段、ソロで登山していますが、厳冬期の八ヶ岳にいきなりソロで行くのはハードルが高いなあと躊躇していました。
山岳部出身でもないし、社会人になってから独学で登山してきました。
ちゃんと知識をつけて安心したい思いもあり、コミュ障だけど講習に参加してきました!
「講習の内容」と、「講習を受けて、できるようになったこと」をご紹介します。
山行の様子はこちらから⇩
雪山初心者用の講習の内容
「日本体育協会公認 山岳コーチ1」の資格をもつトレーナーさん主催の講習会に参加してきました。
参加者は私を含めて6名でした。
少人数だったので、丁寧にみてもらえてよかったです!!
とても天気がよく、山頂からの眺めもよくて、雪山を好きになりました。
9:40 北八ヶ岳ロープウェイ駅に集合
10:00 ロープウェイで坪庭まで
10:10-11:00 基礎講習(アイゼン・ピッケルの使い方、服装)
11:00 坪庭を出発
12:30 北横岳山頂
14:00 北横岳ヒュッテ
15:30 坪庭に戻ってくる
16:00 解散
ピッケルとアイゼンの種類・名称・使い方
ピッケルの種類や部位の名称から説明スタートです。
ベーシックなタイプのまっすぐなピッケルや氷壁を登るためアックスなど3種類あるそうです。
使い方は杖として使ったり、滑落停止に使ったり、雪を掘ったり、11通りも使い方があるとか!
実演もして説明してくれました。
アイゼンも色んな種類があります。
- 登山靴の種類によって使えるアイゼンが変わる。
- 登山靴とアイゼンの相性があるので購入するときは注意。
など基本を一通り教わりました。
雪山での服装について
トレーナーさんが着ているウェアを実際に見せてくれて、説明してくれました。
- ベースレイヤーの大切さ、肌表面をドライに保つこと。
- 保温のためのミドルレイヤーの種類やトレンドについて。
- 「雪山用のハードシェル」と「夏用のレインウェア」の違いなど。
サングラスが曇るのが嫌だからバラクラバは使っていないとか、人によっていろいろで面白いなあと思いました!
アイゼン装着方法・姿勢や歩き方の実践
私は初心者すぎてアイゼンのはき方もわからない状態で参加しました(;^_^A
はき方をイチから教わることができるとは、ありがたい講習です!
まずはアイゼンなしで歩き方の練習をして、アイゼンを装着して実際に登山道を歩いてみるということをしました。
最初は緊張してガチガチでしたが、だんだん慣れてきて最後は楽しかったです。
ピッケルの扱い方のあれこれの実践
ピッケルを杖代わりにもって、斜面を上り下りする練習をしました。
登るときはピッケルの尖った方を前むきに、下りは後ろに尖った方がくるようにとか、
斜めに降りるときは斜面の上側の手で持つなど、基本を教わりました。
雪山初心者用の講習に参加した感想
講習に参加して良かったこと
事前に装備の相談にのってもらえた
1月くらい前からメッセンジャーで、かなり細やかに個別の装備のアドバイスをしてもらえたので、安心して参加できました。
現役ガイドさんのレイヤリングの考え方や実際に使っているアイテムを教えてもらい、勉強になりました。
不安なく雪山にチャレンジできたので、良かったです。
アイゼンとピッケルをレンタルしてもらえた
現在、使っている3シーズン用の靴に、ベルトタイプのアイゼンを貸していただいて装着し、参加できました。
雪山用の装備は値段がお高く、冬靴・アイゼン・ピッケルを揃えたら軽く10万円超えてきます。
もし、全部そろえた上で登ってみて、「雪山はこりごりだ!」となったらもったいないので、レンタルしてもらえるのはありがたかったです。
イチから指導してもらえた
ピッケルをザックに取りつける方法やアイゼンの装着方法など、イチから指導してもらえました。
特に歩く時の体重移動のしかた、下りのときの膝のクッションの使い方などをプロからアドバイスもらえたのが良かったです。
私のように普段ソロで登っていると、フィードバックがもらえる機会がないので…。
体の使い方が上手になった実感があって、嬉しかったです。
講習で山に登るデメリット
私は、今まで他人と登山したことがありせん。
これまでの最大の人数は2名です(笑)。
今回、生まれて初めて集団で登山してみて感じたデメリットをまとめてみました。
自分のペースで休憩できない
集団行動になるので、ソロのときのように自由がききません。
休憩中、寒くなったからといって勝手に出発できないし、行動食を食べ終わっていなくても周りが出発の雰囲気なら切り上げなければいけない場面も。
「ちょっと待って」と自己主張できる能力も持ち合わせておらず💦
技術を学びにきているので、普段の登山と目的が違うのですが…集団行動しんどい。
初対面の人と登山することになる
他の参加者さんは、オンライン講習で顔合わせはしているものの、リアルで会うのは初めましての人達です。
「どんな人がわかっている間柄」ではない初対面の人と登山することに少し不安を感じました。
今回、参加を決めたのは下記のことを確認して大丈夫そうだと判断したからです。
- 初心者入門編の山であること
- 予定日の天気がとてもいい
- トレーナーが有資格者で指導する能力があること
今回は楽しい講習となりましたが、人間性がわからない初対面の人と登山するのはリスクがあると個人的に思いました。
雪山初心者用の講習会に参加して、できるようになったこと
服装を選ぶことができるようになった
雪山登山の服装って難しいんですよね…。
ただ、基本を理解することができたので参加してよかったと思いました。
- 肌の表面をドライに保てるベースレイヤー
- 保温のためのミドルレイヤー(フリース的なもの)
- 風を防ぐハードシェル
- お守りのダウンジャケット
- 末端の冷え対策(手袋、ニット帽、ネックウォーマーorバラクラバ)
のように「ざっくりこんな感じなんだな」と分かっただけでも大きな成果でした。
- 人によって言うことが全然ちがう。
- 新しい素材がどんどん出てきて違いがわからない。
- 男性の快適と女性の快適は違うことがある。
私はネットで調べたり、ショップの店員さんに相談したりしましたが、「いまいち正解がわからないな」と思っていました。
結論
人それぞれの正解はあっても、万人に通用する最適解などない!
最低限の装備でまずは行ってみて、自分の正解を探していくものなんだなーって思いました。
自分なりに調べた上で、自分の感覚を信じて選ぶものだと。
「私はこんな服装をしていますよ」って具体例を見せてもらうと勉強になりますが、「寒さの感じ方や汗のかきやすさ」などは人それぞれです。
あまり鵜呑みにしない姿勢も大事だと思いました。
アイゼンとピッケルをそれなりに扱えるようになった
アイゼンもピッケルも生まれて初めて触る道具なので、ぎこちなかったと思います(笑)。
それでも、1日でそれなりに感覚をつかむことができました。
初心者むけの雪山を楽しむだけのスキルが身に付いたと思います。
安全な歩き方がわかった
山歩きの基本は足の裏全体をつかう「フラットフィッティング」。
体重移動をうまくすると疲れにくい歩き方ができるとわかりました。
トレーナーさんがいろんな表現で歩き方を説明してくれました。
「地球のマントルに向かって生えてる感じ」
「ドリフターズのひげダンスみたいな感じ(若い人は知らんやろw)」
「スキーのカーブで踏み込む感じ」
そのたびにいろいろ試してみて、こんな感じかな?というのがわかりました!
まとめ
- 雪山での服装を自分で選ぶことができるようになった。
- アイゼンとピッケルをそれなりに使えるようになった。
- 雪山での安全な歩き方がわかった。
以上のことができるようになった結果、「天気のいい日なら、初心者向けの雪山に行ける」と思えるようになりました。
何かするとき、「なんだかいけそうな気がするー!」は重要だと思います。
今はググれば、だいたいの知識は手に入る時代なので、ネットである程度勉強して、講習で答え合わせをしながらスキルアップするのもいいと思いました。
忘れないうちに、また北横岳に登りたいと思います。
雪山に登ってみたいけど、ソロでいくのは怖い!